男女とラーメン問題

街の若妻たちが、屯って話しているのを聞いた

「男ったら隙を見てはラーメンを食べようとするのよ」

やはりそうなのか。

世の女性はラーメンを食べることを
どこか(おそらく身体とか偏食的に)悪いこと、と思っていて
一方、男のほうでは全く悪びれる様子がない。

ここに男と女の最も深い河がある
しかし矢野顕子の「ラーメン食べたい」は大名曲だ
男は南極料理人の隊長が唸るようにつぶやいた
「ラーメン食べたい」という気持ちを嗤うことができない

確かに一人で食べたいけれども
ラーメンを一緒に食べてくれる女性というのは
男にとって銀河鉄道のメーテルほどの慈愛を携えている

およそ男と女の問題はラーメンに集約される
全ての男がラーメンに依存し、そして
全ての女はラーメンに嫉妬しているのである。

いい男はてんぷらに心を委ねないし
いい女はかつ丼には悋気を起こさない
何を言っているのだ俺は。