戦後感と夜の万華鏡

いつまでが戦後だったんだろうと思う。
とても終戦からは遠いが
自分の生まれた1975年はギリで
戦後だったのではないかなという感覚がある。

「戦後感」というのだろうか。
お盆と終戦記念日が重なっているからか
夏の濃い影には、つよい生の裏側の死を感じる。

精霊流しで川面を流れる灯篭を思う時や
(子供のとき数回見たぐらいであるが)
街でたまに見かけてしまう新しいゲバ文字の中にも
戦後を感じることがある。

重く湿っているが、幽玄で
夜中に万華鏡を覗き込むような
どこかサラサラとして煌びやかなところもあって
怖いようでいて、そこに手を探りいれたくなる気分になる。

「戦後感」というと意味合いがずれるかもしれないが
人の作品でもそういうものを感じられたり
含まれていそうなものに惹かれる。

街でそういうものを見かけると
どこか知っているような場所へさらわれた
幼い人が万華鏡を覗き込んでいる気分がよぎる。