20題噺(お題:忍者くんx20)

ゲーセンといえば忍者くんだ、格闘技ゲームはやらない。
ゲーセンに行ったら忍者くんというゲームを探して、遊ぶ。

へんてこな赤い忍者くんが山を登っていって敵を全滅させると1面クリアというルールで、敵が黒い忍者だったり、ドット絵で描かれたキュートなだるまさんや、ゴロピカドンの雷さんだったりするのどかなゲームだ。後発のファミコン版忍者くんもあるが、なんか簡単すぎる。UPLという会社の作ったゲーセン版の忍者くんがよりハードボイルドで音楽も良い。

続編の忍者くんもあってそっちは、いろいろと付け加えすぎて面白くない。主人公の忍者くんは壁をよじ登ったり、多彩な武器が選べるようになったがシンプルさがなく自分は続編の忍者くんはやらない。最初は、正しい忍者くんが見つからないときに代わりに続編の忍者くんで遊んだりしたが、やっぱり忍者くんとはちがうので次第にやらなくなった。

高尾に住んでいた頃、八王子駅前に薄暗いゲーセンがあって、そこにはまだ忍者くんがあって、確定申告やヨドバシカメラなど何かの用で八王子駅に行ったときの帰りに忍者くんで遊んだ。忍者くんがゲーセンにあったとかいたが、格闘技ゲームだらけのフロアの隅っこに、かろうじて50in1みたいな、1台にまとめて50種類ぐらい入っている筐体の中の1種類として忍者くんがあるので、おやおやそんなところに居たのかい、と永らく行方不明だった猫を見つけたかのように、背中を丸めうずくまって忍者くんで遊んでいる。それが2011年くらいの話。

結婚してからはゲーセンに行かなくなっていたので、このごろゲーセンどうなっているのだろうとのぞいてみるとプリクラと音ゲームと萌えカードゲームばかりになっていた。ガンダムとか格闘技のゲームにも横にメモリーカードを挿入するようになって、特別なものを購入する必要がある。なにより、どこかと遠くのプレイヤーと対戦通信するようなルールになっている。なんというのか一人で1回、ワンコインこっきり遊んでそれで終わり、というようなのがなさそうだ。忍者くんはもとよりない。

爾来、イオンとかバッティングセンターとかパチンコ屋に付随したゲームセンターとかで「忍者くんないかいな」と忍者くんの姿を捜したのだけれどどこにもないので、「ああ自分の出来るゲームというのは、この遊技場からなくなってしまったのだな」と納得しながら、まだあきらめがつかないのかゲームセンターを見かけると周辺をうろうろしている。当時は50円だった。いまなら大人になったから100円でもやるんだがなあ。500円なら大人になったけどやらない。

忍者くんの最後のボスはヨロイといって、忍者くんに向かってめちゃくちゃに矢を放ってくるし、一度踏んで気絶状態にしないと倒せない。通常の状態だと忍者くんの手裏剣は跳ね返されてしまうのだ。誰か京都市内で2017年現在でも忍者くんが出来るゲーセン知らないだろうか。