Marvyn Gaye / You are the Man

生きててよかった。
マービンの未発表、全く新しいアルバム
きいたことない曲なのにずっと昔から知ってる音楽。
心が純粋に好きだと喜んでいる音楽。

なぜこのアルバムが出なかったのか
わからないけれど、今となっては
今このタイミングで聞けるのが最良のアルバム。
きっと普通に昔に出ていたら、
自分はWhat's going onの方ばっか聞いてて
このアルバムでこんなに心を躍らせなかったかもしれない。

ありがとうこのアルバムを出そうと決めてくれた人たち。
ありがとう素晴らしいミックスをしてくれたサラーム・レミ
そしてありがとうマービン、当時は33才のマービン・ゲイ

僕は今年彼がなくなった年齢になる。
40年前のあした、
1984年4月1日に44歳で亡くなった。
ちなみに生まれたのは4月2日。

自分のことになるが
4・20日のやすナイトでやす君がコントラバスを引いてくれるので
ずっとやってこなかった楽曲たちをバンド形式でライブすることができる。
それこそ十何年前に作った曲とかもあるのだけれど
このタイミングでしかできなかったな、という曲ばかり。

自分でも計り知れない時間が満ちるタイミングというものがあるのだろうか。
最初に京都に住んでいた24歳の頃、一番マービン・ゲイをきいていた。
MDプレイヤーに入れて何度もずっときいていた。

情報も知識もなくて、音楽好きの友達もたくさんいない。
芝生に寝っ転がって青い空の下で日向ぼっこしながら聞いていた
知らない曲ばっかりなのに、ずっと昔から知っている音楽。

音楽を情報や知識として摂取するようになって
曲を楽器ごとに聞き分けられるようになって
ソウルミュージックからサンプリング・ソースを探すようになって
同じようにねっころんでマービンを聞いていたような
音楽好きの友達もたくさんできて、一人ぼっちじゃなくなって。

ずっと思い出さなかった気持ちが新しい曲からあふれ出してくる。
そんなことってあるだろうか?
こんな気持ちになることはこの先きっとないだろう。

すくなくとも1週間は誰とも会わずに、
自分は京都に住んでいる何も持っていない
あのころの音楽好きだと暗示をかけて
この音楽を何度も何度も聞いていたいと思う。

Marvyn Gaye / You are the Man