高崎SANGAM Resound その1

 暖かくなってきました。啓蟄という季節ですね。よく聞いた落語「長屋の花見」に花見に繰り出す人の一群を見て「ひとが、ぞろぞろ這うなぁ」という冗談をやり取りをする下りがあって、春が来たなあという呑気な感じがして好きだ。暖かくなると虫も人もぞろぞろはい出す。自分もはい出したい気分であるが花粉症がつらいのです。

 いつも素敵なピアノを弾いてもらってお世話になっている、Swingo-45に誘われてSugar richが主催するResoundというイベントに出てきた。高崎市のSangamという所が会場である。群馬といえばAsayakeの長谷川さんに呼んでもらったり、CROWNのみんなに呼ばれてShing02やBOSS the MCとライブをした翌日にHisomi-TNPやQ-illとココワイナリーの丘、というか崖を全力で登ったなあということを良く覚えている。

 あと小林大吾とタイル工業の慰安旅行に出かけた時妙義山に登った。群馬から新潟に抜けるあたりの雰囲気はうすら寂しくて結構好きだ。先年お盆に土合駅という古く寂しい駅へ佇みにいこうと車で出かけていったらそこに駅泊する人がいていたく感動して「どうぞ、楽しんでください」と声をかけてしまった。無人駅を見るのは好きだがまだ、駅で一晩を過ごすという体験はしたことが無い、あの人はどんな人で今何しているのだろうか、話がそれた。

(お盆の土合駅)

 歯医者に行くつもりで筑波山の麓にある歯科医院まできていたのだがどうも、治療してもらっているとと間に合わないぞということですいません、とそのまま受付で予約をキャンセルして旅に出かけた。つくばからは関越道をダラダラ乗っていれば高崎にたどり着くことができる。

Swingoさんは待ち合わせを少し遅れてやってきた。ぼーっとしていたら大宮で乗り換えを間違えて川越から八高線でやってきたとのこと。わかるわかる、あのあたり乗り過ごしてしまう。人と場合によるけれどぼーっとして電車を乗り過ごす人というのはどこか信用ができる。

「八高線沿線は歴史的にもなにか後ろ暗いことがあるのではなかろうか」

 降りてくるなり謎の推論を展開するSwingoさん。駅名や景色を見てそう思ったそうな。謎といったが実は自分も八高線を乗ったときそう思っていたので、ああやっぱりこの人はいらんとこ見てる人だなあと。散歩とかひなたぼっことかそういう無益とされていることをたくさん積み重ねるとその無駄で豊穣な情報を読み取ることが自然にできるようになるのだろうか、、。

 いらんとこというのは音楽に例えるならノイズや歪みににていて、無くても情報としては問題ないのだがある方がなんか良い。文章も脱線してなかなかライブにたどり着かないのである。その2に続く。

(高崎駅と昔住んでいた八王子はどこか似ています。)